日本ゲーム大賞2025授賞式レポート!今年のゲーム業界を象徴する作品は?


9月23日、イイノホールにて開催された「日本ゲーム大賞2025 年間作品部門発表授賞式」。今年のゲームシーンを彩った数々の傑作が一同に会し、栄えある受賞作が発表されました。
本記事では、授賞式に参加した筆者が、各部門の受賞作品から、今年のゲーム業界のトレンドまでを徹底レポートします。
栄えある受賞作品を一挙紹介!
大賞

- 作品名:メタファー︓リファンタジオ (株式会社アトラス)
正直、この作品が評価されるのは意外でした。個人的に「女神転生」のような硬派で難しいゲームに見えた上に、アトラスの強みである続編IPではなく新規IPとなっている点、その上世界観もかなりファンタジーに寄っているため、不安要素が大きかったのです。しかし、結果は大きく異なりました。独自の哲学に基づいた世界観や、それに合った音楽。さらに、ユーザー代表の谷様が仰った通り、「この世に初めて生まれた魔法は音楽だ」という言葉を体現した点が、やはり決め手になったのではないかと思います。
ゲストのハラミ氏が演奏された『メタファー』の楽曲も独特なもので、その世界観を見事に表現されていました。


優秀賞
例年は10作品のところ、今年は11作品の受賞となりました。
- 作品名1:メタファー︓リファンタジオ

- 作品名2:都市伝説解体センター

現代のニーズに合った、まるでSNSで展開される漫画のような作品です。都市伝説という通常のホラーとは違う、未知が近づいてくる興味本位のホラー要素や、藪蛇のような感覚が癖になる人が多く、それで受賞したのかもしれません。登壇していた作者の方がほぼインディーズで開発したと仰っていたため、パブリッシャーに集英社がつきながらもこのゲームが賞を取ったことは、今後のゲーム業界に大きく影響を及ぼしそうだと思います。
- 作品名3:ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン

原作の要素やBGMをしっかりと引き継いだリメイク作品です。個人的には、この作品に大賞を獲ってほしかったと思います。従来のロマンシングサガシリーズの面白いシステムはすべてそのままに、難しい箇所や現代に合っていない部分をしっかりとリメイクした点が好評となったのでしょう。また、古参ファン向けの要素もしっかりと残している部分も強いと思います。
- 作品名4:ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…

38年前の作品がHD-2Dとして生まれ変わり、受賞を果たしました。原作の要素に新たな要素を追加した本作は、良くも悪くもリメイクであると思います。ですが、その要素が古参のファンや現代の多くのファンに支持されて受賞したのだと思います。
- 作品名5:真・三國無双 ORIGINS

前作屈指のイケメンが揃う『真・三國無双』シリーズ。今までの無双シリーズからの進化の期待を裏切らない、かなり完成度の高い作品となっています。20年ぶりの受賞を心からお祝い申し上げます。私はこちらも大賞候補だと思っていました。
- 作品名6:⾸都⾼バトル/Tokyo X tremeRacer

まさかのアーリーアクセス版のまま受賞しました。過去にもあった『首都高バトル』を現代へとクオリティを上げて再登場させた作品です。車の後ろに張り付いて数多くの車と突然レースバトルを繰り広げたり、多くのカスタム要素が人気となり受賞したのだと思います。
- 作品名7:⿓が如く8外伝 Pirates in Hawaii

『龍が如く』シリーズから、まさかの外伝が受賞しました。本当に意外でした。登壇されていたプロデューサーが仰っていた通り、『龍が如く』シリーズでも屈指の人気を誇るキャラクター、真島吾朗が海賊になり、大海原を駆けて様々な物事に巻き込まれていく…いや、巻き込みに行くような奇想天外なゲームです。まず、現代ヤクザが海賊になるという部分が既にぶっ飛んでいます。しかし、ぶっ飛んでいるだけでなく、しっかりと作り込まれた船バトル要素や、従来の『龍が如く』のノウハウを活かした完成度の高さが、受賞の決め手になったのではないかと考えています。
- 作品名8:モンスターハンターワイルズ

今までの『モンスターハンター』ではなく、オープンワールドの広いステージでの『モンスターハンター』です。広大な大地を駆け、大型モンスターに挑むといったロマンあふれるゲーム性や、仲間と狩りをする達成感と楽しさが、やはり受賞の決め手だと思います。コンテンツ数の少なさなどはネットでも度々話題に上がりますが、今後のアップデートにかなり力を入れているそうなので、まだまだ盛り上がるコンテンツでしょう。
- 作品名9:HUNDRED LINE -最終防衛学園-

なんとなく『ダンガンロンパ』をイメージした方が多いと思うこのゲームは、100ものエンディングを詰め込んだとんでもないアドベンチャーゲームです。一つひとつが全く違うエンディングになっている点などから、友人と話していても飽きが来ない作品になっていると思います。また、この会社独自の人を引き付けるキャラクターデザインなども受賞の決め手になったと考えます。
- 作品名10:ファンタジーライフi グルグルの⻯と時をぬすむ少⼥

発売前からかなり期待度の高かった作品です。『ファンタジーライフ』にはコアなファンが数多くおり、そのファンからの支持や、今作の完成度の高さが新たなファンの獲得につながり受賞したのだと考えます。
- 作品名11:ELDEN RING NIGHTREIGN

従来のハードコアゲーム『エルデンリング』を3人で協力し、限られた時間内に装備などを整えボスの討伐を目指す、目標型ローグライクアクションゲームです。この手の作品は通常「ソウルライク」と称されますが、私自身は本作をソウルライクを引き継いだローグライクアクションだと思っています。従来の『ダークソウル』や『エルデンリング』のように装備を整えた人が助けに入り無双するのではなく、全員が1からのスタートで、差が出るのはゲームに対する知識量という点が、難しくもとても面白く、高評価を受けたのではないかと考えています。
経済産業大臣賞
経済産業大臣賞は、日本のコンピュータエンターテインメントソフトウェア産業の発展に貢献した個人や団体に贈られる賞です。
- 受賞者/団体名:Nintendo Switch 2

基本的にこの賞はゲーム機本体が獲得するので、今年獲るならPS5かNintendo Switch 2だと思っていました。通話アプリいらずで友達と通話できたりなど、オンラインゲームでほしい要素を多く取り入れながら、Switchで不評だった部分をすべて改善し、本体スペックも向上したかなり強力なゲーム専用機器です。受賞しないはずがないだろうと考えていました。
ムーブメント賞
その年において、社会現象となるほどの大きなブームや、多くの人々に影響を与えたゲームに贈られる賞です。
- 作品名:Pokémon Trading Card Game Pocket

『ポケモンカードゲーム』のソーシャルゲーム、通称「ポケポケ」です。ソーシャルゲームが受賞するのは意外だったため、とても驚きました。まるで本物のカードパックを剥いているような感覚や、今まであったカードイラストをしっかりと収録しつつ、動きを新たに追加している要素などは、カードゲームとしてプレイしないユーザーからも多くの人気を得たのだと思います。
特別賞
今後の可能性や話題性など、選考委員会が特別に評価した作品に贈られる賞です。
- 作品名:PlayStation®Store

Xbox GamesやSteamなどを浸透させた先進的なプラットフォームであることが大きいと考えました。
ブレイクスルー賞
独創的なアイデアや、今までにない新しいゲーム性で、ゲームの可能性を切り拓いた作品に贈られる賞です。
- 作品名:Clair Obscur: Expedition 33

作者も仰っていましたが、日本のJRPGに大きく影響を受けた作品です。独自の世界観や、JRPGを海外のユーザー向けかつ面白く作った点は、かなり高評価だったのではないかと思います。
ゲームデザイナーズ大賞
日本や一部世界の著名なゲームクリエイターから選出される、独創性や斬新性など、ゲームデザインの観点から高く評価される作品に贈られる賞です。
- 作品名:INDIKA

その独特な世界観やゲーム性が功を奏して受賞しました。主人公インディカに悪魔の声が聞こえるという設定を利用してのナレーションや、人間と悪魔の世界の視点。また、中世のロシアの世界観などを強く表現している部分が素晴らしいと思いました。桜井さんも仰っていましたが、このゲームをプレイしていると、「このポイントはなんだ?」「悪魔は本当にいるのか?」など、ゲーム自体に関しての疑問点も出てくる、ある意味メタフィクション的な部分が一番の決め手だったのだと思います。
ゲームの未来を紡ぐ「日本ゲーム大賞」
今回、取材を通して改めて感じたのは、ゲームというエンターテインメントが常に進化し続けているということです。 **「日本ゲーム大賞」**では、大規模な開発会社の超大作から、少人数チームが情熱を注いだインディーゲームまで、多種多様な作品が評価されました。
これは、ゲームが持つ無限の可能性を示しています。グラフィックや技術の進化はもちろん、「新しい遊び方」や「心に訴えかけるストーリー」といった、クリエイターたちの独創的なアイデアが、私たちをいつも驚かせてくれるのです。
これからもゲーム業界は、様々なプラットフォームや技術を取り入れながら、さらなる発展を遂げていくでしょう。 次に生まれる「新しい面白さ」が、どんな形をしているのか。そして、未来のゲームが私たちにどんな感動を与えてくれるのか。今回の取材で、その期待はますます膨らみました。
私たちプレイヤーも、次にどんなゲームと出会えるのか楽しみにしながら、ゲームの進化を見守っていきましょう。




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